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ハゲにまつわる、おかしくも、まじめなお話。カテゴリー、1)~6)の順にお読みください。
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 飲む毛生え薬として日本でも2005年12月より発売されたプロペシアだが、この薬でドーピング検査にひっかかったオリンピック選手がいる。
 トリノオリンピックの開催を控えた2006年1月に世界に配信された。スケルトンという競技のメダル候補選手でザック・ルンド選手。メダル候補だけあってベテランの風貌をしているが、実は26歳と若い。前頭部がいくらかきているせいでベテラン選手のような風貌をしているのだろう。同選手にとっては、プロペシアは必需のお薬なのだろが、主要成分であるフィナステリドは禁止薬物に指定されている。もっとも、市販の風邪薬や精力剤でもドーピング検査にひっかかってしまうというから、メダルを狙う選手は人並みに風邪もひけない。
 この話題をコメントした日本の元メダリストは、「スポーツ選手は日ごろの健康管理が大切。頭を気にしているようではメダルは無理でしょう」だって。昨年のボクシング選手が試合中にカツラがふッ飛んだ映像ほどインパクトはないが、やはりハゲラーのスポーツ選手はスキンヘッドで頑張るしかないのだ。


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 医療用のカツラは、大手カツラ屋が半分ボランティアで提供している。どういう人が装着しているかというと、頭部の手術によって、頭部の一部が欠損してしまった人たちである。原因は事故の場合もあるだろうが、大半は脳の病気に起因している。
 頭部の一部分ならいいが、大きく欠損している人もいる。頭部の相当部分が欠損している人を真近に見ること自体、異界に迷い込んだ感じである。そして、そんな人が、元気でリハビリに励んでいる姿を見ると、人間の生命力の強さを感じる。
 カツラは、欠損した頭部を採寸して、その人に合わせて作る。通常のカツラと違って、欠損部を補う土台から制作するので、大変な作業になる。
 医療用カツラは、病気に起因したカツラの装着であり、ハゲ隠しのためのカツラではない。当然保険の対象になるが、保障される金額は僅かなもので、大手カツラ屋はほとんどボランティアで仕事をしている。とかく評判のよくないカツラ屋だが、その点だけはえらい。ま、そのくらい社会に儲けすぎた利益を還元してもおかしくはない。
 普通のカツラでも装着前と装着後の写真を見るとその変容ぶりに驚くが、医療用カツラの場合は、はっきり異体から正常に戻ることがわかるだけに患者にとっては必須のアイテムといえる。
 病気が完治したからといって、頭部欠損のまま社会に復帰したのでは、恐らく多くの人から奇異の念をもってみられることになる。ハゲの場合は、見慣れているから周囲の人も平然とみれるが、頭部欠損者をみる目は異星人をみるような事になる。
 このような人が着けるカツラは全額国で保障してもいいと思うのだが‥。


 ハゲを隠す方法に増毛法という、技法がある。これもかなり怪しい。
 一口で言うと、自毛に用意した毛を結び付けて毛を増やす技法で、ツルツルにハゲ上がる前のハゲラーが対象になる。自毛に結びつける髪は、色や太さ質感、など何種類かが用意されていて、自毛に近い毛を結びつける。結び方も、いろいろ工夫されていて特許をとった結び方もある。結ぶための先にカギのついた編み込み棒も開発されている。
 理想の結び方は、
 ・自毛にしっかり固定できること。
 ・自毛が伸びてきたとき、簡単に下(つまり地肌)にずらすことができること
さらに短時間で結べて、しかも自毛に負担がかからないこと。
 増毛法は、カツラと違って装着による違和感は少ないし、強風が吹いても気にすることはない。シャンプーだって思い通りにできる。
 いきなり増毛したのでは、周囲の人に気付かれてしまうので、じょじょに増毛していく。この方法をステップ増毛法という。みた目も自然だし、カツラにようにバレる恐れはまずない。毛束を掻き分けて毛の生え際を覗かない限り見破られない。
 いいことずくめのような増毛法なのだが、欠点もある。
 最大の欠点は、自毛が伸びると結び目が浮き上がってくることだ。これは増毛法の致命的ともいえる欠点である。毛は一ヶ月に1センチは伸びる。増毛して一ヶ月後には結び目が1センチ上がってしまう。一度増毛したら月に一度は専門サロンに通って結び目を下げてもらわなければならない。増毛の数が多ければ大変な作業になってしまう。
 某カツラ屋で増毛のお試し無料キャンペーンを行ったことがあったが、確かに増毛は無料だったが結んだ毛の後処理は無料ではなかったため、苦情が殺到したという。風光明媚な離れ島に無料で連れて行って、帰りはかってに帰ってこい、というのに等しい。
 増毛法のもう一つの欠点は、結んだ自毛に負担がかかることである。増毛される毛は1ミリグラムにも満たないが、シャンプーやクシを通すたびに自毛には物理的な負担がかかる。結ぶ時の作業でも大きな負担がかかる。これでは自毛にいいわけはない。
 増毛技術の料金もわかりにくい。数は少ないが理容店で増毛を行っている店では一本いくらで施術していることろもあれば、増毛コースとして山盛りいくらに近い売り方をしている店もある。比較的多いのが毛1本の単価を決めて、100本単位とかで売るサロンだ。料金の中には、結着、上部への移動する技術料も含まれていて、かなりな金額になる。しかも5000本とか1万本を準備し前金として支払うシステムを採用しているサロンも多い。増毛技術を受けるために100万円近い前金を支払うことになる。
 大手カツラ屋でもこのシステムを採用しているが、欠点の多い増毛法であるから、途中でギブアップする客は少なくない。ハゲが進行拡大すれば、いずれは増毛では対応できなるのは目にみえている。この手のサロンでは、増毛用に買い込んだ毛の代金をカツラ代金に充当するシステムまで準備されている。
 カツラ屋の行う増毛技術は、カツラを導入するための前段のメニューとしての色彩が強い。カツラ屋はやはりカツラを売りたいのだ。
 そして、ハゲラーの行き着く先はやはりカツラーなのだ。育毛、増毛など寄り道せずに自分のハゲが我慢できなくなったら、迷わずカツラをかぶるのが、カツラーの王道と心得たい。


 ハゲをもとから治すのは難しいが、ハゲを隠すのはカツラ以外にもいろいろな手段・方法がある。
 一目瞭然カツラとわかるカツラーも笑えるが、もっと笑えるのは業界で通称「ふりかけ」といっている、黒い粉末を頭にふりかけ付着させてハゲを隠す方法だ。確かに写真撮影レベルならハゲを隠くすスグレモノだが、近くで見れば黒いゴミが付着しているだけ。ゴミなら「ゴミがついてますよ」と親切に教えてあげることもできるが、ハゲ隠しのふりかけでは、見てみぬ振りをするほかない。粉飾決算ならぬ粉飾アタマといえそうだが、こんなバレバレの粉飾がまかり通るのでは、粉飾決算に頭をひねる世の経理担当者に会わせる顔がない。
こんな製品を開発したかとメーカーもえらいが、それを平然とつけているハゲラーはもっとえらい!
 この類の製品や一目でばれるカツラをつけるのだったら、東急ハンズのパーティグッズコーナーで売っている、お遊びカツラを付けた方がまだましだ。少なくとも付けてる本人はお遊びを公にしているので、回りの人間が、バレカツラやふりかけのように、対応に苦慮することはない。



 カツラの世界も日進月歩だ。2004年には毛を植え付けた極薄(カツラ屋の広告では0・03ミリだという)のベースを頭皮に装着(接着)させるカツラが登場して盛んにテレビCMが流されている。接着させているので、風で飛ばされることはないし、友人の悪ふざけでカツラを引っ張られてもハゲが露呈する心配はない。極薄の皮膚の色に近いベースなので、バレる心配も少ない。
 しかしである。通気性をもたせた素材を使用しているとはいえ、頭皮に密着させるのは毛の発育、頭皮の健康にいいはずはない。装着する際には生えている貴重な毛を処理するのも、毛を大切にするハゲラーにとっては断腸の思いなのである。
 この手の製品は、育毛を完全に諦めたカツラ一筋の人間にとってはいいのかもしれないが、ハゲの進行を早めるのは間違いない。


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