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ハゲにまつわる、おかしくも、まじめなお話。カテゴリー、1)~6)の順にお読みください。
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 ハゲは悲しい。
 誰もすき好んでハゲたわけでないのに、ハゲ、ハゲと嘲笑される。お笑いの対象になることはあっても、尊敬されることはない。気の毒がってくれる人はいるけど、そんな人だってどこか心の奥底ではニンマリ笑っている。もしくは笑いを堪えながら同情している。
 ハゲていない人は平気でハゲ、ハゲといって馬鹿にするが、そのひと言に大いに傷つくのがハゲラーなのです。
 これが、障害者として社会からはっきり認知された、視力障害者や身体障害者、知能障害者の人を、めっかち、ちんば、うすらばか、といったら差別用語として顰蹙(ひんしゅく)をかうが、ハゲはいくらハゲといっても世の中から糾弾されることはない。身体障害者や精神障害者は、社会から守られるべきものとして認知されているが、ハゲは嘲笑されることはあっても、守られることはないのです。
 いつごろからかは定かではないが、チビ、デブ、ハゲの男性は嘲笑の対象になってきた。これらの身体的な特徴は、障害でもないし、病気でもない。健康体の一つの特徴であり、個性である。
 しかし、一般の人からみると、特異なのだ。仲間と違うもの、平均的でないものを区別し、さげすみ偏見視するのは日本人特有の性癖かしれない。日本では小さい子供のころからチビ、デブ、ハゲは笑いの対象、時にはいじめの対象になってきた。いじめられた本人の心理的な痛手ははかりしれない。広い世の中には、チビ、デブ、ハゲと三拍子揃った人もいて、お気の毒というほかない。
 女性に対しては、デブとブスが双璧だろう。心無い男の子からからかわれ、いじめられた女の子は少なくない。
 これら以外にも、出っ歯、デカ顔、デカ尻、短足、胴長、ロンパリ、ガニマタ(カニマタ)‥などなど、嘲笑の対象となる身体的な特徴はいろいろある。身体的特徴以外にも、ジジイ、ババアと高齢者を馬鹿にしたり、逆にジャリ、クソガキなどと若年者をさげすむ。オヤジ、オバサンなどの言葉もどこか差別的なニュアンスが感じられなくもない。これがいまの日本人の素直な心理だとしたら、悲しい。欧米や世界ではどうなのだろう?
 逆の身体的な特徴、長身、スリム、美人、小顔、足長‥などは憧れの対象ということになる。
 ハゲは決して病気ではない。だけど、ハゲはやるせなく悲しい。親とご先祖様を恨むしかない。ハゲはハゲラーとして力強く生き抜くしかないのだ。


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 チビ、デブ、ハゲ、ブスのうち、チビについては成長が止まってしまえばどうしようもない。ところが、ハゲとデブ、ブスは、自らの努力でなんとか脱出できる可能性があると思っているハゲラー、デブ、ブスがいて、努力する。確かにデブは、食事や運動でデブから脱却できる。ところがハゲは懸命に努力したからといって治るわけなない。
 近年では、ブスは整形手術でなんとか救われるようになったし、出っ歯にいたっては矯正歯科で直すことができる。チビはチビで上げ底の靴を履いたりして、少しでも背を高くみせる努力をしているが、ズボンの裾を目いっぱい伸ばして、靴底の厚い靴を履くチビはまた笑える。
 そして、ハゲラーも努力する。ハゲから脱するために涙ぐましい努力を重ねる。真剣であればあるほど回りはこっけいさを感じる。そんな回りの反応を無視してわが道を行くハゲラーの一途さに頭が下がる思いもするけど、おかしくもある。
 中年以降になってハゲる人はまだいいが、若くしてハゲる人の努力は尊敬に値する。新しい毛生え薬が発売されたと聞いたらすぐに試す。髪の毛が生える食事をし、髪の毛にいい生活習慣をする。もちろんマッサージだって半端じゃない。専用の頭皮刺激ブラシで頭を叩き、側頭部から天頂部にかけて入念にマッサージを繰り返す。シャンプーだって、頭皮についた皮脂を完全に洗い流すシャンプー剤を使って、毛生え薬を毛穴に少しでも浸透させようとする。
 頭皮を叩く電動ブラシを使いすぎて頭皮から出血するほど、ガンバルのだ。でも、残念ながら大抵の努力は徒労に終わる。
 ハゲラーが得意がって「生えきたでしょう?」と頭を見せるが、せいぜいウブ毛どまり。そりゃあ、よーく見れば短くて細い毛が申しわけ程度に生えているけど、普通に離れてみれば、とても生えてきた、とはいえない。
 でも本人があまり喜ぶものだから、「確かに生えてきた!」なんて一緒に喜んでみせるが、完全にお付き合い、お世辞である。
 毛生え薬を発明したらノーベル賞ものだ、と昔からいわれているけど、毛生え薬を発明してノーベル賞に輝いた科学者はいない。
 欧米ではミノキシジルをベースにした毛生え薬が高い効果をあげて、日本でも大正製薬からリアップという商品名で売り出されたけど、その薬を使って黒々とした、ぶっとい毛が生えてきたとは聞いていなし、せいぜいウブ毛を少し太くしたくらいの毛である。それでも毛生え薬としては画期的なのである。リアップ以外にも数多くの毛生え薬があるが、せいぜいウブ毛どまりである。実際はウブ毛すら生えないことの方が多い。
 あとで紹介するが2005年12月、日本でも飲む毛生え薬「プロペシア」が発売され、医療機関を介して使用できるようになったが、これとて効くのは3割程度といわれている。しかも、勃起不全という副作用が懸念される。頭の毛は生えてもあっちが役立たずになってしまったのでは元も子もない。彼女にもてるつもりが、肝心なところで嫌われてしまう‥。


 ハゲてたって立派な人格者や好青年は多いのに、なぜか大和撫日子はハゲがお嫌いのようだ。
 日本人は平気で人の劣等感を笑いの対象にして楽しむ人種で、チビ、デブ、ハゲ、ブスは気の毒極まりない。最近ではデカ顔も笑いの対象になった。なにしろこれらは健常人の一つの特徴なのだから、つまり個性である。尊敬できる個性ではないにしろ、これほどまでに笑われたら、ご当人は辛い。心理的なダメージは大きい。
 これがあきらかな身体障害者を揶揄したりしたら、世間の顰蹙(ひんしゅく)をかう。
 当然、身障者を侮蔑、差別するような表現は使用が制限されている。ところが、チビ、デブ、ブス、ハゲは自由に使える。使用禁止の差別用語ではないけど、実際はけっこう差別用語なのだ。
 もっとも一般的な話の中で使う分には問題ないが、特定の個人を指して、チビ、デブ、ハゲ、ブスなどいったら侮辱罪や名誉毀損に問われることもある。面と向かって「ハゲ部長」とかいったら訴えられるかもしれない、ご注意を。
 以前、公害の一つに工場などからの出る廃液の「垂れ流し」という表現が、障害者を傷つける言葉として問題になって、マスコミなどでは「出っぱなし」などと言い換えていたし、「めくら判」などの表現も避けてている。それくらい障害者には気を使うのだが、健常者をハゲ、ブスとおもしろおかしく形容する分にはお咎めはない。
 うすらばか、とか、ノータリンなどといったら問題があるが、ドジとか間抜けはどうなのだろうか?
 使っていい言葉、使ってはいけない言葉と区別することが、そもそも差別の元凶かもしれない。
 だから人々は必死になってダイエットに励み、かかとに仕掛けのある靴を履き、毛生え薬をつける。本当に日本は平和な国でよかった。


 女性用のファッションカツラは別である。男性カツラは、一度つけたら最後、以後人前に出るときは、必ずつけるのが社会の掟だ。
 ハゲの元上司が、ある日突然髪の毛フサフサの黒々になって私の目の前に現れたことがあった。その時は、目が点になってしまって、じっと頭を見つめてしまったが、これが逆の場合は恐らくショック死してしまうか、お腹を抱えて笑いだすのをこらえて、腸捻転になってしまうかのどちらかである。
 男子たるもの、そうたやすくハゲたり、クログロ・フサフサに変身してもらっては、周囲の対応が混乱する。ましてや自分より偉い人だとどう対応していいのかわからず、頭の中がパニクってしまう。精神修行の足りない若輩者にとっては精神衛生上、よろしくない。
 突如として、カツラをつけて、人前に登場した元上司の勇気にはあきれるほど感心したが、カツラ屋は回りの人間がショックで痙攣を起こさないように、ハゲの部分をじょじょに小さくしていくカツラのメニューを用意している。ステップ○○法とかと呼ばれているメニューで、大抵のハゲラーは人に知られずに徐々に髪の毛を増やしていく方法を選ぶ。それが社会に対する礼儀であり、カツラーになろうと思ったら、そのくらい回りに気を使ってほしい。一気にクログロ・フサフサでは、カツラーの資格なし、カツラーの資格剥奪ものである。
 もっとも、そのくらいおおらかなことを平気でできるなら、なにもカツラをつけることはないのではないかと思う。
 一度カツラをつけると、今度はむやみやたらと外せない。それがカツラーの守るルールだ。
 親しくなったカツラーの同僚とビジネスホテルに宿泊した際、親近感を込めてだと思うが、風呂上がりにカツラを外して現れたりするが、ちょっと迷惑である。同じ人物であるのはわかっているがイメージがまったく違うので違和感がある。気の弱い私など目のやり場に困って、視線が宙をさまよってしまう。
 カツラーたる者、一度カツラーになったら、やすやすとハゲをみせることなかれ。 
 では、いつまでカツラーを通さねばならないか。
 答えは、人生の節目までである。
 カツラーになったあなたが、会社に通うサラリーマンなら、定年退職するまでである。もしくは、転職するまでは、つけ続けないといけない。
 大きな会社で転勤が頻繁にある会社では、転勤時でも許されるかもしれない。しかし、A支店ではクログロ・フサフサだったのがB営業所にいったらハゲでは、いずれ話題にはなることは間違いないが、回りに与えるインパクトは強くないので、まあ許されるかな。
 しかし転勤のあるカツラーはつらい。なぜなら、転勤のたびに自分の頭を面倒みてもらう床屋さんを探さなくてはいけないからだ。一般の床屋さんでカツラの知識のある床屋さんを探すのは大変だろうから、転勤の多い人はやはり全国どこにでもある大手のカツラ屋にお世話になった方が無難だ。とはいっても、同じ看板のカツラ屋でも、やはり人間対人間、客と技術者といっても相性があるから、気苦労はついて回る。
 会社に勤めているときはカツラーだった人が、定年後にハゲラーにもどることは多い、というかほとんどが戻る。対外的にカツラーでいる必要がなくなったのと、退職後カツラの費用を捻出するのが難しいという経済的な問題もあるが、なにより、60歳にもなればハゲていてもまったくおかしくないし、若いころ抱いた劣等感も消滅してくる。
 だから定年後はカツラーから年相応のハゲラーに戻ることになる。
 60歳を越えてもカツラをつけ続ける人がいたら、よっぽどおしゃれな人か、ハゲに対する劣等感を強烈に植え付けられた人に違いない。


 カツラをつける人は、たいていの人の場合、いろいろな毛生え薬を試したり、育毛を試し、悪あがきをした末に結局、観念してカツラに到達する人が多い。中には血の滲むような、ほんとに頭から血をにじみ出してまで育毛にチャレンジした経験を持つ人もいる。血行をよくするためにブラシで頭皮をたたき過ぎて出血なんて、涙ぐましい話は枚挙にいとまがない。それほど真剣なのだ。そして、それほど真剣な人の行くつく先がカツラなのである。
 でも、一度カツラを装着した人で、ハゲが改善されたという話はきいたことがない。
 カツラーになっても、育毛にはチャレンジし続けている人は少なからずいるはずだが、多少なりとも改善されたという話は聞かない。もしいたら教えてほしい。
 もともと育毛の可能性の低い人が諦めてカツラの世界に入ってくるのだから、当たり前といえば当たり前だが、さらにカツラを装着することが、育毛を阻害する。カツラをつけることが、脱毛を促進しているとしか思えない。ネット状のベースのカツラが開発されて、だいぶ頭部の風通しはよくなったが、ネット状以外のものは相変わらずウレタン製の素材をベースした製品が多く、頭皮を覆い蒸す。ムレは髪の毛にとっていいわけはない。ヘルメットを常時かぶっている人にハゲている人が多いのをみてもわかる。正確な統計データはないので、私の主観レベルでの話だが…。
 カツラを装着するときに止めるストッパーも既存の髪の毛にかませることから、既存の髪の毛に悪い影響を及ぼす。接着剤を使って止めるカツラもあるが、これも頭皮にとって、いいわけない。最近(2004年ごろから)、毛束を接着した、超薄いゴムを頭皮に貼り付ける製品が登場したが、これとて育毛にいいはずない。というより、頭皮への密着度が高いだけに従来品より育毛にとってはマイナスといえる。この製品は、完全に脱毛した頭部に装着するならまだ許されるが、残っている自毛を剃ってまで装着するは考えものだ。
 カツラは、蒸れるし、自毛は引っ張られるし、でカツラー当人の頭皮、頭毛にとっては悪影響を及ぼすことばかりなのだ。カツラの製品のなかには一度つけたら一月は装着し続けても大丈夫という製品もあるが、これとて頭皮にとっていいわけない。
 カツラ屋が儲かる一つの理由は、カツラの耐用年数を迎える前にお客さんであるカツラーのハゲが進行して、購入したカツラではカバーできない状態になってしまうからである。使い方にもよるが4、5年は持つはずのカツラが、ハゲの進行で2年目には使い物にならない、なんていう話はよくある。
 一度、カツラの装着とハゲの進行の関係を調べてみたい。カツラ屋はいやがるかもしれないが‥‥。

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