いろいろあるハゲ

　ハゲにはいくつかの種類がある。
　代表的なのが、本書のテーマである男性ハゲだ。
　男性ハゲ以外にも、円形脱毛、物理的な原因によるハゲ、女性でも男性ハゲに近いハゲがあるし、老化にともなうハゲがある。
　円形脱毛はこれは一種の病気である。ストレスに起因しているが、原因を取り除くと治る。これは病気なので、男性ハゲのように笑いの対象にしてはいけません。
　物理的なハゲは、最近ではみられなくなったが、ポニーテールなど毛束を強く束ねて引っ張るヘアスタイルを長くしていると、引っ張られた部分の毛が抜け落ちてしまい、ハゲた状態になる。むかしは、日本髪の結い髪を常にしている女性に多くみられた。毛根が完全に消滅する状態だと再生することはない。
　老化にともなうハゲは、頭部全体の髪の毛が薄くまばらになる状態のハゲで、男性、女性問わず加齢にともない抜ける。抜けないまでも毛が細くなって、見た目、薄く見える。原因は、老化にともない身体生理が衰え、髪の毛に栄養分がいきわたらなくなって抜けるためだ。栄養分が十分でないと、ヘアサイクルが不正常になって、全体の毛が少なくなる。年をとると血の流れも悪くなし、皮膚もたるむ、血管だって切れたり詰まったりしてくる。老化現象による薄毛は誰にでも起こるが、早い人は中年期からまばら状態になる。男性ハゲとダブルで起こる人もいるからややこしい。
　女性ハゲは、一説よると女性でもわずかに分泌している男性ホルモンの影響を受けてハゲるというが、ハゲ方は男性ハゲとは違い、全体がまばらになる、老化によるハゲに近いハゲ方をする。出産後にハゲる人や、過度なダイエットによるハゲも報告されているので、髪の毛に栄養分が十分にいきわたらなくなってハゲるのかもしれない。ストレスによると主張する人もいるし、使っているシャンプーがよくないという人もいる。ストレス説は、原因が不明な時はとりあえずストレス説が有力である。シャンプー説はこれは石鹸会社がいってるのだろう。普通に洗って頭部を清潔にしていればどのシャンプーを使っても問題ないはずだ。
　また最近多いのが、治療にともなう薬物や放射線などによって起こるハゲである。ガンなどの放射線の治療を受けている患者がハゲるのは知られているが、治療をやめればまた生えてくるから安心を。ただ、ハゲっぷりは半端ではないので、気になる人は治療期間だけでも全頭型のカツラを装着するといい。
　幼いころ頭部に発疹ができてそこがハゲて残る例や、事故によって頭部を損傷してハゲが残る、という例もある。
　会社もいろいろ、社員もいろいろ、ハゲもいろいろ。ついでに人生いろいろ。でも笑っていいハゲは男性ハゲだけ。それが日本の社会のルールです。少なくとも円形脱毛症や治療、事故によるハゲを笑いの対象にするのは、ご法度と心得てください。