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ハゲにまつわる、おかしくも、まじめなお話。カテゴリー、1)~6)の順にお読みください。
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 カツラの世界も日進月歩だ。2004年には毛を植え付けた極薄(カツラ屋の広告では0・03ミリだという)のベースを頭皮に装着(接着)させるカツラが登場して盛んにテレビCMが流されている。接着させているので、風で飛ばされることはないし、友人の悪ふざけでカツラを引っ張られてもハゲが露呈する心配はない。極薄の皮膚の色に近いベースなので、バレる心配も少ない。
 しかしである。通気性をもたせた素材を使用しているとはいえ、頭皮に密着させるのは毛の発育、頭皮の健康にいいはずはない。装着する際には生えている貴重な毛を処理するのも、毛を大切にするハゲラーにとっては断腸の思いなのである。
 この手の製品は、育毛を完全に諦めたカツラ一筋の人間にとってはいいのかもしれないが、ハゲの進行を早めるのは間違いない。


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 ハゲを隠す方法として植毛は以前から行われてきた。この植毛は頭皮に毛を植え込む医療行為で医者でなければできない。
 カツラや増毛、接着毛などの擬態でハゲを隠す行為は、理容師や美容師でもできるが、植毛は医者でなければできない。
 植毛は、異物を人体に入れるので拒絶反応をおこしやすく、そのため植えた毛が抜けたり、炎症を起こすこともある。植毛は、Iの字に植毛してもすぐに抜けてしまうので、通常Jの字、つまり頭皮に入れた植毛の毛をJの字状態に植え込む。だからなおさら炎症が起こりやすい。無事に定着した毛も何年か後には抜け落ちてしまう。
 以前(20年以上もむかしのことだが)ハゲに悩む男性を救済する、画期的な方法として宣伝されたが、いまでも、しっかり男性週刊誌に広告が出ている。
 植毛の手法やそのノウハウは進化しているだろうが、世のハゲラーから絶大な支持を受けているとは思えない。カツラほど普及していないのは、どこかに問題点があるのだろう。問題というのは、技術面だけでなく、施術する施設や医者が少なかったり、経費がかかり過ぎたりといった営業面も含めての話である。


 植毛に関しては、近年自毛植毛が行われるようになり注目を集めている。
 自毛植毛というのは、ハゲラーの残った頭髪をハゲの部分に植え込む方法である。男性ハゲは、全頭がハゲることはない。側頭部や後頭部は男性ホルモンの影響を受けにくいので、頭頂部がツルツルになっても残っている。その生き残った毛をハゲた部位に移植する方法を自毛植毛という。この方法は、アメリカが先進国で、手術マニュアルや専用の医療器具なども開発されている。
 人工毛を植毛するのと違って、拒絶反応することも少ない。人工毛に比べたら数段定着率は高いといわれていて、移植した毛の9割は定着するという。
 この自毛の移植、某カツラ屋が先進的な技術とノウハウを持ったアメリカのB社(ボ○○、というが頭文字はBなのかVなのかわからない)を買収して本格的に乗り出した。その方法は、後頭部など比較的目立たない部位にある毛を毛根ごとえぐり取ってハゲている頭皮に移植する。毛を抜き取ったところは丸く点々と跡が残るのは仕方がない。
 B社の自毛植毛のノウハウは毛穴を丸くえぐりだす方法だったが、別のやり方もある。毛を一列のラインで切り取る方法だ。この場合の傷跡はみたことがないが、毛根を取り出すため相当深くからえぐっているため、やはり傷跡は残る。
 移植した毛は男性ホルモンの影響を受けない部位の毛で、その性質はハゲる部位に移植しても持続し、D・H・Tによって発毛を抑制されることはない、という。せっかく移植した毛が、男性ホルモンの影響を受けて抜け落ちては意味がない。ざるで水をすくう、のたとえだ。
 この方法で1000本も移植すれば、その効果は確認できる。
 自毛移植の技術をみたときは、画期的な方法だと感心したが、よくよく考えてみたら、ハゲはどんどん進行する。毛根ごと抜き去された毛は二度と再生しないから、ハゲの拡大にともない、いつかは供給しきれなくなる。まさか腋毛や陰毛を移植するのは、さすがのハゲラーも抵抗があるだろう。


 というわけで、この自毛植毛には限界があると思っていたら、今度は切り取った毛乳頭を培養、増殖させてからハゲている部分に移植する方法が研究されている。一種の最先端技術なのだが、これなら供給不足に陥ることはない。
 培養技術は日本が世界をリードしていて、皮膚については一部実用化されている。しかし、毛根は簡単には実用化できないだろう。それはともかく、ハゲ治療の進歩は日進月歩である。
 でも待てよ、移植を一度したら、進行拡大するハゲに合わせて移植し続けないといけない。
 たとえば天頂部からハゲてる人が天頂部をこの方法でカバーしたとすると、ハゲが進行すれば天頂部に移植した毛を残して回りがハゲる。これは笑えるハゲになってしまう。額からハゲる人は前列の植毛した毛を残して天頂部がハゲると巨大カッパになってしまう。だから一度植毛したら半永久的に植毛し続けなければならない。
 頭部の毛は10万本といわれている。そのうち頭頂部に約6万本あるとしたら、これは大変な数だ。

 カツラの値段は、インターネットが普及する以前は闇のベールに包まれていた。
 ハゲラーは、いくらかかるのか不安を抱きながら、勇気をふりしぼってカツラ屋のドアを開ける。
 カツラの値段は、予想していた以上に高い。
 購入をためらうカツラー候補者を前にして、カウンセラーと称するプロ中のプロの営業マンが巧みな話術と都合のいい資料によって、カード会社のローン契約を結ばせ、ハゲラーをカツラーに見事に変身させてしまうのである。
 インターネットが普及するようになって、これまで闇のベールに包まれていたカツラの値段は、いまでは白日のもとに晒されるようになった。育毛やカツラ関係の掲示板には、カツラーたちの実体験に基づく情報が多数掲載され、カツラのおおよその値段は知ることができる。これもインターネット社会のいいところだ。
 いまでは、カツラー候補者はおおよその値段を知った上でカツラ屋のドアを開けれるようになった。
 それにしても、カツラは高い。カツラの種類、サイズにもよるがざっと50万円。予備(スペア)も同時に作るから2枚で100万円。
 なぜ予備が必要かというと、カツラが傷んだりして補修が必要な事態になる場合がある。簡単にできる補修なら問題ないが、そうでないときは遠方の専用工場で補修しなければならない。カツラを補修している間、カツラーから一時的にしろハゲラーになったら、元も子もない。回りの人間をひっくり返るくらい動転させてしまうことになる。かといって一歩も外に出ず、誰にも会わない、というわけにはいかないだろう。
 というわけで、カツラは二つで一セットというのが、カツラ業界ではお決まりになっている。
 もちろん、周囲にカミングアウトしているカツラーは一つでも間に合うのだが‥。
 なお、近年のデフレ経済に対応して最近では廉価版のカツラの販売も行われている。廉価版といっても2,3割程度安い商品なので、貧乏人には手が届かない。


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